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インナーガレージのある住宅とは

インナーガレージのある注文住宅を建てるポイントを解説しています。

インナーガレージのある住宅とは

インナーガレージのある家の例(パシフィックホーム/岡田建設株式会社)

インナーガレージのある家の例(パシフィックホーム/岡田建設株式会社)
https://www.pacifichome.jp/works/p1054/

インナーガレージとは、家の中に設置した車庫のこと。ビルトインガレージと呼ぶこともあり、また、インナーガレージを設置した住宅のことをガレージハウスと呼ぶこともあります。特に車好きの男性にとって、インナーガレージは憧れの空間となるようです。

ここでは、インナーガレージの施工事例、注文住宅でインナーガレージを設置するときの注意点などについてご紹介します。

インナーガレージがある家の施工事例

独創的な鏡面仕様の外観

施工事例case001_大画像
引用元:宮部建設株式会社公式サイト
(https://miyabe-kensetu.com/work/works07/)

施工場所:岐阜県岐阜市

建築費合計:不明

特徴:
「外観は極力シンプルに」という施主の希望に応じ、黒いシンプルな箱のようなデザインとした大きな邸宅。一方で施主が強くこだわったのが、車2台とバイク1台を余裕で収納できるインナーガレージです。
庫内での作業をスムーズに行うため、ガレージには照明や水道設備なども完備。リビングの大開口からガレージを眺められる設計にするなど、施主の車への愛情が強く感じられます。キッチンからもガレージを覗くことができるので、奥様は料理をしながらご主人の帰宅を確認することもできます。

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ビルドインガレージ(インナーガレージ)の注意点

法規制
ビルドインガレージ(インナーガレージ)を作る際に理解しておきたい重要な法規制が、「建ぺい率」と「容積率」です。
「建ぺい率」とは、建物を真上から平面的に見た際、敷地面積に対する建物面積の比率のこと。「容積率」とは、敷地面積に対する延床面積の比率のことです。
「建ぺい率」と「容積率」には上限があり、その上限を超える比率で家を建てることはできません。ビルドインガレージ(インナーガレージ)やカーポートの面積も、「建ぺい率」と「容積率」の計算に含まれます。
なお、これらの比率の上限は地域によって異なります。詳細を知りたい方は、地域の役場で確認しましょう。
税金
インナーガレージの面積が住宅の延床面積の1/5以下である場合には、インナーガレージは延床面積に含まれません。延床面積に含まれないということは、インナーガレージの部分が固定資産税の計算に算入されない、ということになります(緩和措置)。
ただし、インナーガレージの面積が住宅の延床面積の1/5を超えた場合、超えた部分については緩和措置が適用されません。固定資産税の優遇を最大限に享受するためには、インナーガレージの広さを1/5以下に抑える必要があります。
固定資産税のことばかりが頭にあり、無理にインナーガレージを狭くしてしまうと、当初の希望通りのガレージに仕上がらないかもしれません。諸々のバランスを考慮して最善の策を検討したいものです。
間取り
インナーガレージは住宅の1階部分に設置することになるため、必然的に1階の居住スペースは狭くなります。その結果、一般的には1階に置かれる事の多いリビングや浴室を、2階に移動することになるかもしれません。
リビングを2階にした場合、たとえば「オシャレな吹き抜けのリビング階段を設置する」などの設計・間取りの自由が制限される可能性があります。あるいは、2階の多くをリビングが占めた場合、書斎や子供部屋などを諦めなければならないかもしれません。
居住空間
よほど広い敷地でもない限り、「建ぺい率」や「容積率」の都合があることから、「インナーガレージで狭くなった分、3階建てにして居住空間を広くする」ということはできません。
ちなみに、乗り降りのスペースも考慮した余裕あるインナーガレージの広さは、車1台につき約20畳ほど。やや広めのLDKと同じ程度の広さです。
多くの場合、インナーガレージによって居住空間が狭くなってしまうことを理解しておきましょう。
換気
ビルトインガレージは半個室のような空間となるため、ガレージ内に排気ガスがたまらないよう、換気には十分に注意する必要があります。換気が不十分な場合、排気ガスがすき間から室内へと流れ込んでくる恐れもあるようです。
理想的な換気対策は換気扇の設置。排気ガスが溜まりやすいガレージの奥のほうに換気扇を設置すれば、入口から奥へと空気の通り道ができます。奥に換気扇を設置できない場合には、設計担当者に相談して対策を考えてみましょう。
庫内照明
ビルトインガレージ内で作業(車の整備、掃除、カスタマイズなど)をする可能性がある場合には、あらかじめ庫内に照明を設置しておくことをおすすめします。
事後的にセンサー式のライトなどを設置する人もいるようですが、庫内で作業をする上では光量が足りません。シャッターを閉めた状態でもストレスなく作業をするためには、室内と同様に、スイッチでオン/オフのできる蛍光灯を設置しておいたほうが良いでしょう。
収納スペース
せっかくインナーガレージを設置するのであれば、車庫としての機能だけではなく、別の機能も併せ持つ空間にしたいものです。そこでおすすめしたい発想が、趣味に関連した空間を兼ねること。たとえば、車をいじることが趣味ならば、車庫内に収納を造り付けて工具やカスタマイズ用品を保管しておくのはいかがでしょうか。他にも、自転車やサーフボード、ゴルフバッグ、スキーなど、ご自身の趣味アイテムを収納できる棚などを設けても良いでしょう。
巻き上げ式シャッター
チェーンを使って上へ巻き上げていくタイプのシャッター。ガレージの外側に設置されたボックスに丸まって収まる格好になるため、シャッターのせいでガレージ内が狭くなることはありません。
インナーガレージにおいてはごく一般的なタイプのシャッターですが、欠点が2つあります。1つ目が、シャッターの巻き上げ次の音がうるさいこと。深夜や早朝に帰宅することが多い人は、近隣の方々へ気遣いが必要でしょう。2つ目が、シャッターの開閉スピードが遅いこと。幅が狭くて交通量の多い道路に面している場合、車の入出庫が渋滞の原因になるかもしれません。
オーバースライダー式
ガレージ内の天井にレールが設置され、このレールに沿ってスライドする要領でシャッターが開閉するタイプ。重たいシャッターでもスライドさせられるパワーがあり、かつ、巻き上げ式とは違って音が静かというメリットがあります。
ただし設計上、どうしても「下り壁(くだりかべ)」とする必要があるため、天井にはある程度の高さが必要になります。また、溜まっていた雨水が落ちてくることがある点や、2台分を収納するガレージには不向きな点など、いくつかの弱点があることも理解しておきましょう。
ベルト式
上記の「巻き上げ式シャッター」と原理は似ていますが、こちらはチェーンではなくベルトで巻き上げるタイプになります。
チェーンを使わないために音は静かですが、チェーンよりもベルトのほうが強度は弱いことから、重いシャッターの開閉には向いていません。