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地鎮祭

地鎮祭とは?手順や注意点を解説

土地を守る神様に土地を使用する許可を請うことで、建築工事の安全を祈願する儀式である地鎮祭。日本書紀にも記録が残されているなど、古くから日本で行われている神事の一つです。神式が一般的ですが、場合によっては、仏式およびキリスト教式で行われることもあります。

このページでは、そんな地鎮祭の手順や注意点などについて詳しく解説していきます。

地鎮祭の意味は?やっぱりやった方がいいの?

地鎮祭のタイミング

地鎮祭は、暦の上で縁起が良いとされる日に行います。冠婚葬祭を始めとする催事と同様、先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口からなる六曜を踏まえて、仏滅や赤口の日を避けるのが一般的です。なお、地鎮祭の場合、六曜に加えて、建・除・満・平・定・執・破・危・成・納・開・閉からなる「十二直」も併せて踏まえ、建築吉日と呼ばれる「建、満、平、定、成、開」から日取りを決めるのが慣例となっています。例えば、六曜では大安であっても、 十二直では三隣亡(凶日)となる場合、地鎮祭は控えたほうがいいとされるなど、他の催事とは異なる文化があるので、注意が必要です。もちろん、どうしても都合がつかないという場合には調整出来る場合が多いようです。なお、時間帯としては丑の刻(11時~13時頃)に行うのが望ましいとされています。

なお、地鎮式は必ず行わなくてはならないものではありません。どうしても都合がつかない場合など、地鎮式が出来ない場合には、施行会社にその旨を伝えれば、対応してくれるでしょう。なお、その場合、工事関係者だけで簡単な安全祈願の儀式を行うことがあります。

どこにお願いすればいいの?

地鎮式には、施行会社が施行主に対して、「これからお願いします」と挨拶をする意味も含まれているため、地鎮式に必要な段取りや基本的な費用等は、施行会社が負担する場合がほとんどです。したがって、基本的には、施行主側で神社等に連絡する必要はありません。

地鎮祭の流れ

地鎮式は、以下のような流れで行われます。

  1. 修跋(しゅばつ)の儀:参加者起立のもと、神主が土地と参加者のお祓いをし、清めます。
  2. 降神(こうしん)の儀:神主が土地の神様を祭壇に招きます。参加者は起立し、神様に向かって礼をします。
  3. 献饌 (けんせん):神主が神様にお供え物を献上します。参加者は着席したままです。
  4. 祝詞奏上(のりとそうじょう):神主が工事の安全を祈願する祝詞を読み上げます。参列者は起立し、礼をします。
  5. 四方祓い(しほうはらい):土地の四隅に米と塩、白紙を撒いて清めます。参加者は着席したままです。
  6. 地鎮の儀(じちんのぎ):土地で初めて草を刈る「刈初(かりぞめ)」、初めて土を起こす「穿初(うがちぞめ)」、初めて土を均す「土均(つちならし)」を行った後、神主が鎮め物を納めます。なお、刈初は設計者が、穿初は施行主が、施行会社が土均をそれぞれ担当するのが慣例です。
  7. 玉串拝礼(たまぐしほうてん):参列者が順番に玉串を神前に供えます。
  8. 撤饌(てっせん):神主が祭壇からお供え物を下げます。参加者は着席したままです。
  9. 昇神(しょうじん)の儀:神様が帰ります。参加者は起立し、見送りをします。
  10. 閉式(へいしき)の辞:参加者着席の元、地鎮式が閉式となります。
  11. 神酒拝戴(しんしゅはいたい):直来(なおらい)の辞とも呼ばれます。工事の安全を祈願して献杯を行います。

地鎮祭の費用

すでに触れたように、基本的には、地鎮式の費用は施行会社が負担してくれますが、地鎮式で神様に納めるお供え物は、施行主が用意するのが慣例となっています。お供え物としては、米、酒、海の幸(魚と昆布といった乾物)、山の幸(果物)、野の幸(野菜)を納めることが多く、予算としては10,000円ほどが平均的です。また、「初穂料(神主への謝礼)」も施行主が用意する必要があります。初穂料の相場は2万円から5万円ほどとなっています。

また、 初穂料および奉献酒代とは別に、近隣に住む方への挨拶を行う場合には、2000円程度の粗品を用意するのが一般的です。なお、この粗品は、会社によっては、施行会社が用意してくれるケースもあるようです。

地鎮祭で必要なもの

地鎮式で必要なものとしては、すでに触れたお供え物と近隣に住む方への挨拶で配る粗品に加え、以下のようなものがあります。

  • 榊:祭壇に供えるための植物です。花屋で購入できます。
  • 升・湯呑:地鎮式の神酒拝戴で使用します。参加人数分必要になります。もし用意できない場合には、紙コップで代用することもできます。
  • 半紙:お供え物の下に敷くために使用します。一帖(20枚)用意しましょう。

地鎮祭の参加者

地鎮式には、施行主とその家族、施行会社、設計者が参加するのが一般的です。同居する予定のない両親は、当方に住んでいる場合など、参加が難しい場合には、無理に招待する必要はありません。

近隣に住む方へのあいさつは必要?

工事が始まると、重機などが現場に入るようになり、近隣に住む方の迷惑となることもあります。地鎮式を行う場合には、近隣に住む方への挨拶は同時に済ませるようにするのがおすすめです。また、地域によっては、町内会の会長への挨拶を行うこともあります。