夢の注文住宅を建てることになった管理人が、調べたり聞いたりして集めた家情報をまとめた口コミサイト。

吹き抜けとは

ここでは、注文住宅における吹き抜けの魅力についてまとめました。吹き抜けのメリット・デメリットなどを確認していきましょう。

吹き抜け

吹き抜けなスタイルの例(フリーダムアーキテクツ)

フリーダムアーキテクツ公式サイト
https://www.freedom.co.jp/architects/case688/

吹き抜けとは、下階の天井部分と上階の床部分をなくした空間のこと。簡単に言えば、1階と2階をタテにつなげた空間のことを吹き抜けと言います。

一般に吹き抜けは、リビングや階段スペース、玄関などに設置されますが、多くの場合はリビングに見られます。開放感が生まれて採光が良くなるなどのメリットが多いため、最近の注文住宅では多く見られるようになってきました。

ただし、吹き抜けには色々なデメリットもあることも事実です。そのため、もし吹き抜け構造にする予定ならば、デメリットを埋める対策も一緒に検討するようおすすめします。

吹き抜けの役割

開放感のある空間になる
吹き抜けの最大の役割と言われるのが開放感の創出です。
「単に1階部分と2階部分をタテにつなげただけでしょ?」と考えている人は、一度、本物の吹き抜けを目にしてみると良いかもしれません。その開放感ある空間に、きっと驚くことでしょう。
都市部に一戸建てを構える際、希望通りの広さがある土地を確保することは難しいかもしれません。限られた土地の中で少しでも広さを演出する設計手法として、今や吹き抜けは定番となっています。
採光が良くなる
吹き抜けを採用することで、家の中の採光が良くなります。言い換えれば、家の中が明るくなる、ということです。
近年、特に都心部では、戸建てと戸建てが密集しています。そのような住宅街において、もし1階と2階を天井で分けた場合、1階では隣の家の外壁が邪魔をしてしまい、採光が不十分になる可能性があります。一方で、1階と2階を吹き抜けでつなげて高い場所に窓を設置すれば、採光が良くなる可能性があるでしょう。
実際に吹き抜けのある家とない家とを比べてみると、吹き抜けのある家の屋内は明るい印象です。

吹き抜けのデメリット

床面積が狭くなる
2階部分の床を一部なくして吹き抜けを作る以上、その分だけ、家全体の床面積が狭くなります。2階の部屋が一つ減る、と考えても良いでしょう。
どうしても床面積を減らしたくないならば、2階の天井下に小屋裏を設けて巨大な収納とし、1階と2階の収納を減らせば床面積が広くなります。ただしこの方法の場合、収納の利便性(動線などを考慮した適材適所)が低下することは避けられないでしょう。あるいは、後述しますがスキップフロアを設けることで、実質的に使える床面積を増やすことが可能です。
音やニオイが屋内全体に広がることがある
1階で生じた音(テレビや会話など)が、吹き抜けを通じて2階に聞こえてくることがあります。受験世代などが同居している場合には、勉強の邪魔をしないよう家族全員が神経を使わなければなりません。
また、料理のニオイなどが吹き抜けを通じて2階へと上ってくることもあります。世帯によっては、強力な換気扇を設置するなど、何らかのニオイ対策が必要となるかもしれません。
断熱性・暖房効率が下がることがある
暖かい空気は上に向かう性質があるため、冬場に暖房を利用すると、暖かい空気が吹き抜けを通じて2階へと向かい、なかなか1階が暖まりません。寒さに我慢できず暖房のパワーを強力にすると、部屋は暖まるかもしれませんが光熱費が高くなります。
また、吹き抜けは採光が良いため、夏場は屋内が暑くなりがち。その分、クーラーの効きが悪くなります。快適な涼しさを得るためにクーラーのパワーを強力にすれば、その分、光熱費が高くなります。

吹き抜けでおすすめの組み合わせ

スキップフロア
スキップフロアとは、同じ空間の中に設置した段差のある床空間のこと。中2階、中3階などをイメージすれば良いかもしれません。1階や2階などの通常のフロアとは異なる高さになりますが、床である以上、何らかの用途に使うことが可能です。
吹き抜けのデメリットとして「床面積が狭くなる」ことを説明しましたが、この対策として有効な方法の一つがスキップフロアの設置。吹き抜けにリビング階段を設置し、階段部分にスキップフロアを増設すれば、その分だけ利用できるフロア面積が広くなります。ちょっとしたワークスペースや読書スペースとして、十分に活用できるでしょう。
スケルトン階段
吹き抜けとの組み合わせとして、スケルトン階段は定番の一つです。
スケルトン階段とは、「骨組みとステップのみ」で作られている階段のこと。ステップとステップの間の板や、ステップと手すりをつなぐ板はありません。採光や風通しを邪魔することも少なく、なおかつ、見た目がオシャレなことから、リビングの吹き抜けにスケルトン階段を取り付ける設計は広く人気です。
ただしスケルトン階段には壁がない以上、転落リスクには十分注意したいところ。小さなお子様の遊び場にならないよう、しっかりと注意喚起をしましょう。
シーリングファン
吹き抜けのデメリットとして、断熱性や暖房効率が下がることを説明しましたが、このデメリットを緩和させる役割を持つ装置がシーリングファン。天井でクルクルと回転している扇風機のような装置です。
シーリングファンの役割は、部屋の中の空気をかきまぜることにあります。暖房を付けると暖かい空気が吹き抜けの上のほうへ溜まりやすくなる、と説明しましたが、吹き抜けの天皇にシーリングファンを設置することで、暖かい空気が部屋全体へと行きわたるようになります。すなわち、暖房効率が改善するということです。
参考までに、暖房効率を上げる目的でシーリングファンを設置する場合には、吹き抜けの天井よりも下記の「梁(はり)」のほうが良いとされています。
梁(はり)とは、建物の水平方向に設置される柱のこと。天井裏を覗いたとき、横に伸びている柱が梁です。伝統的な日本家屋では、梁をむき出しにしている設計も珍しくありません。
最近では、吹き抜けのちょうど真ん中あたりに、数本の梁をむき出しで設置する事例が増えてきました。梁にシーリングファンを設置して暖房効率を上げたり、間接照明を取り付けて空間の演出としたり、または、家自体の強度や耐震性の向上を図ったりなど、様々な目的で吹き抜けに梁が設置されています。
薪ストーブ
吹き抜け部分に薪ストーブを設置する事例も多いようです。
実際に利用したことがある方なら分かると思いますが、一般的なエアコンに比べると、薪ストーブの暖房効率は非常に高いと言えます。より効率良く吹き抜け空間を温めたいならば、薪ストーブの設置は有効でしょう。暖房効率の改善だけではなく、インテリアとしても吹き抜けによくマッチします。
ただし先に説明した通り、たとえ薪ストーブであっても、暖かい空気が上へと向かってしまうことは避けられません。シーリングファンやサーキュレーターを併用することが望まれます。